いつか掴めるのかな、あの星を

関西で生まれ育ったジャニオタがただ語りたいだけジャニーズを語るブログ

『春風外伝2021』覚書

「天下泰平!」

 

8代将軍・徳川吉宗のひとことから始まる。

数多の武将が目指した泰平の世にいるのだと満足気な吉宗の元に側近の忍・7代目服部半蔵が現れる。

半蔵はまだ表には出ていない国民のさざ波があり、それらはやがて大きな波となって幕府を揺るがすと吉宗に説く。不安を抱く吉宗からそれらを抑えることを任され邪悪な笑みを浮かべる半蔵。

 

〈暗転〉

〇下手バルコに文三登場

文三による時代説明。町人文化が花開く江戸時代、そんな江戸の様子を出現させましょう!と舞台上を指すも暗いまま。吉宗による質素倹約、娯楽規制により歌や踊り、酒や茶屋や遊郭も全て奪われてしまったのだ。しかし!僕頑張りますから!とステレオで音楽ポチッとして歌い踊る町人達が舞台上に現れる。

そこに現れる半蔵の部下・猿渡と犬飼。歌うことはダサいこと、美味しい物は体に悪い…と町人達に口車の術をかけ、心を折っていく。彼らを従えた半蔵の弟・雉尾も現れるが彼は術をかけず浮かない顔。

そんな時に頭である半蔵が現れる。部下に首尾を聞き満足気な半蔵。雉尾はこの行為に疑問を持ち半蔵に「これは本当に上様の望まれていることなのか?」と口にする。だが天下泰平のためなら弟でも容赦はしないと言う半蔵に従わざるを得ない雉尾。

3人が去り、暗く無音の舞台上でこの静けさが良いのだ…と噛み締め、高笑いをして半蔵は去っていった。

 

〇上手バルコに文三登場

文「ちょっとちょとお!天下泰平の意味が違うんじゃないの!?」

半蔵の施策にツッコミつつ、だがそんな娯楽規制の世の中でもどんちゃん騒ぎをしている国があると言う。それが徳川宗春が治める尾張国、現在の名古屋だと紹介。

 

尾張

♪夜は終わらnight

尾張のキャスト全員で踊る。

途中から宗春がアンサンブルの騎馬に乗って登場。

町人達に手を降り回った後一緒に歌い踊る。

 

〇櫻奴梅奴文三3人シーン

歌舞伎一座・チーム桃奴のプロデューサー櫻奴梅奴登場。

櫻梅による曲紹介後突如始まる『櫻奴と梅奴のHITHOTランキング』

尾張国の歌舞伎トップスターのランキングを紹介。

1位はチーム桃奴の看板役者、齋藤十兵衛

♪十兵衛によるニュータイプ歌舞伎の舞

櫻梅2人は十兵衛を主演にして新しい芝居『ライオン将軍』を制作し、1000回のロングラン公演を目論む。

文「1000回って随分やりますねえ…いい加減にせんかい!」

のギャグにより、文三にチーム桃奴の缶バッジが着けられる。つまらないギャグをやれば缶バッジを着けられ、3個溜まると退場させられる画期的なシステムと紹介。櫻梅はける。

 

〇大階段に宗春登場

文三は改めて尾張藩藩主・徳川宗春に仕える側近であると自己紹介。

春「そろそろあの約束に取り掛からねえとな…」

文三に相談する宗春。何の約束?ととぼける文三に、江戸から尾張国に入る時に将軍と約束したじゃねえか!と返す宗春。

 

~回想〜

宗春が江戸から尾張に入る日

籠の用意が出来てると呼びに来る文三。だが宗春は「やだ!狭い!あんなので長旅のーせんきゅー!」と拒否し、のんびり歩こうと提案する。

藩主になりたくないからなるべくゆっくり行こうとしているだけでは?と返す文三に図星な宗春。

そこに将軍の列が来る。周りが頭を垂れる中上から仁王立ちで眺める宗春を見つけ、無礼者!と半蔵が斬り掛かり、文三が咄嗟に宗春であると止める。

列が止まったことにより吉宗が様子を見に出て来、宗春を見つける。仕方なく尾張藩主をやると言う宗春だが、「尾張を日本一の街にする」と吉宗の前で豪語する。どうするのか尋ねる吉宗に、江戸にはない茶屋や芝居や遊郭といった娯楽施設を散りばめると説明。そんなことをしてどうなるのかと尋ねる吉宗に、「逆にどうなると思います?」と返す宗春。

そして半蔵と吉宗に桜が満開になる頃に尾張に来て欲しい、もしダメならば首を切っても構わないと頭を下げ、吉宗もそれを承諾する。

宗達が去った後、宗春の元に雉尾と側用人・平賀が現れる。

雉尾は平賀と共に術にかからない宗春の屋敷を偵察している間に半蔵の施策に疑問を持つようになり、宗春に半蔵の術中にある吉宗を救って欲しいとお願いをしに来たのだ。桜が満開になる頃に吉宗を連れて来ればいい、と答えた後「もっといい事思いついた!」と笑みを浮かべる宗春。

2人に耳打ちをして秘策を授け、2人は驚きつつも受け入れる。

〜〜

 

ただの社交辞令で吉宗が来るはずがないと思い出しながら言う文三に「来るでしょ!だって約束したもの!」と主張する宗春。

何を見せようと考える宗春に、今の街の賑わいを見せればいいのでは?と文三は提案するが、

春「お前さあ、俺の首が跳ねられてもいいの?」

「さぞ盛大な首はねショーだろうよ!」

と自身のクビが切られるジェスチャーをする宗春。

やだやだ!と縋る文三に「大丈夫!とびっきりの芝居を見せる!」と言い張り、更に自分が一座を作ると主張する。驚く文三を連れて宗春は街へ向かった。

 

江戸城

〇大階段に吉宗と半蔵

半蔵に宗春との約束を覚えているか尋ねる吉宗。

尾張の盛り上がりは江戸城の吉宗の元にまで届いていた。尾張に行こうとする吉宗とそれを止める半蔵。強固に反対する半蔵に吉宗は自分は女でお飾りの将軍だからか?と拗ねて尋ねる。

実は8代目将軍を決める際に揉めて多くの血が流れ、結果として女である吉宗は男と偽って将軍の座に着いたのだ。そしてその策を施したのは半蔵の父・6代目服部半蔵だった。

吉宗を宥める半蔵に、男を演じることには定評がある!と主張する。

◇宝塚時代の雑誌を半蔵に音読させるメタネタ

半蔵は宗春と出会ってから術の効力が弱まり言動が乱れている…と危惧し、より強力な術をかけようとする。ありのままでいいのです!と吉宗に何をしたいか聞くと「レビューがしたい!」と答えたため、さらにダメです!!と反対し、術をかけながら趣味として編み物を提案して吉宗に編み物をさせて江戸城に籠らせる。

半「あなたはそれでいいのです。いつまでも編み編みウジウジしていてください…。この国のことは私にお任せください…」

不敵な笑みを浮かべ去る。

 

その様子を隠れて見ていた雉尾と平賀。

将軍が女であると知り驚く平賀に、雉尾は父の案であり、そして病死した父を超えるべく若くして半蔵の名を継いだ兄は禁断の術に手を出したのだと説明。

編み物に熱中する吉宗に尾張に行くよう仕向ける雉尾と平賀だが、半蔵のかけた術の前に為す術なく敗れる。そこで先程吉宗自身がやりたいと言っていたレビューをしよう!と提案する平賀。自身が作った踊るからくり人形と共に音楽を流す。

♪心此処に在り〜SHRONAKAカーニバル

歌い踊った後こんなことをしていては半蔵に怒られてしまうと狼狽える吉宗に、では尾張に行って存分に歌い踊りましょう!と提案する雉尾と平賀。

こうして2人は吉宗を尾張に向かわせることに成功する。

 

尾張

〇大階段に宗春と文三登場

文三に藩のお金で一座を作ることを反対されている宗春。

文「既にある一座を見せればいいんじゃないですか?」

春「それじゃ将軍様入れらんねぇんだよ…(小声)」

文「ん?何か言いましたか?」

春「え?俺?何か言った??何でもねえよぉ…」

文三は既に将軍にお見せする芸の当たりを付けておきました!と藩に縁のあるガマの油売と京都の人形を紹介するも、堅い!却下!と取り付く島もない。

宗春は文三に代わりに見といて!俺は茶屋に行く!と言い残して去ろうとするが、

文「どうせまた遊郭でしょ」

と指摘され慌てて引き返す。

春「あはは…そんな訳ないだろ!?俺を誰だと思ってんの!?尾張藩の、藩主だよ!?遊郭なんてちゃんちゃらおかしい…」

と誤魔化しつつ逃げるように街へ繰り出す。

 

遊郭に向かう宗春

小走りで遊郭に向かう宗春を見、声をかける櫻奴と梅奴。

自分達の一座の看板役者を探している途中でスカウトしたいと言う2人に、なんで看板役者なんてビラ配りで募集してんだ!?と聞く宗春。

実は…と訳を話す櫻梅

 

~十兵衛とお文の過去~

〇クロコバイオリン演奏・十兵衛お文登場

チーム桃奴の看板役者・十兵衛にはお文という妹がいた。幼い頃に両親を亡くし2人は親戚に預けられたが、その親戚がお文を遊郭に売ってしまった。十兵衛は妹を取り戻すためニュータイプ歌舞伎を生み出し一座の看板役者になり、お文も遊郭で花魁にまで

上り詰めた。

しかしお文のいる遊郭尾張の街を取り仕切るヤクザ・銀八一家の店だった。妹を買い取ろうとする十兵衛に目をつけた銀八は芝居が出来なくなるほど十兵衛の右脚を痛めつけ、十兵衛はそのまま姿を消した…

〜〜

街全体が活気づいている一方で治安が悪くなっていると櫻奴に言われ苦い顔をする宗春。

宗春は経緯を聞き改めてスカウトされるも、そんな暇じゃないと断る。

2人にどうせ遊郭に行くんでしょ!と指摘されぎくっとしながらも街の為に忙しいんだ!と拒否。

櫻梅「お兄さん1人に何ができるのよ?」

春「やるよぉ!色々考えなきゃ…」

と断りつつ2人を振り切って遊郭へ向かう。

1度は突き放した2人だが、宗春が去った後ロックオンし後をつける。

 

江戸城

〇半蔵と吉宗登場

半蔵に調子を聞かれ、物凄く長い編んだものを引っ張ってくる吉宗。

江戸城に大きなセーターを着せたいのだ!と語る吉宗に半蔵はこれは好都合…とほくそ笑む。集中したいから部屋に入ってくるなよ!と念を押し、吉宗は半蔵を遠ざける。

 

そうして1人になった吉宗の元へ平賀が駆け寄る。

本気でセーターを編もうとする吉宗にこれは半蔵を遠ざけ吉宗を自由にする為の作戦だと説得し、代わりに自動で編むカラクリ(クロコ)を作ったと持ってくる。カラクリに編み方を教える吉宗にツッコミつつ、これで尾張に向かえます!と促し、雉尾が女性用の羽織を持ってくる。

「親のスネを齧り各地を回る旅芸人・出雲阿国」が城を出てからの吉宗の設定だと説明し、吉宗と平賀は尾張へ経った。

一方雉尾は残り、半蔵も尾張へ連れて行こうと画策する。尾張の賑わいは江戸にも悪影響を及ぼす、尾張に出向いて術をかけるべきだと進言。半蔵もそれに乗り、犬猿と共に尾張へ向かう。

◇犬飼猿渡雉尾のハケ際回替わりネタ

1人残る半蔵の元にカラス(クロコ)が来る。人から好かれるなどとうに捨てたと言い去る半蔵。

 

〈暗転〉

尾張遊郭

♪蝶の風

〇曲中に遊郭の中からお文登場

途中から宗春が出て来、お文と遊女の舞を煙管を吸いながら眺めている。

宗春は藩主であることを隠し春として度々遊郭を訪れ、花魁であるお文の歌や舞を見に来ている。

遊女である自分を抱きもせずに変わったお客さんだねと言うお文に対し、お文の歌や踊りを街の人にも見て貰いてえなと口にする宗春。

そこに足を引き摺った十兵衛が忍び入る。

お文との再会を喜ぶのもつかの間、お文を連れて逃げようとする十兵衛に銀八に見つかってしまう、無理だと言うお文。