ッぱち!あらすじメモ※がっつりネタバレ
東京の家具デザイナーの会社で働いてる河野は20年振りに同級生だった吉岡の実家の古道具屋を訪れる。
妹のミチルと吉岡の彼女・幸の養父の孝明、ミチルが拾ってきた御前崎と同居してる吉岡。
個性的な同居人達に迎えられ、戸惑いながらも吉岡と昔話や互いの近況を報告し合う。
吉岡は親の残した古道具屋「まがいもん屋」を継いでいたが開店休業状態。彼女の幸は登山家で海外の山々を登りに行っており、月に1度手紙が届くと言う。
河野は家具デザイナーとして働いていてたまたま近くを通りかかったと言うが、仕事の話をする際どこかはぐらかすような言い方になる。
吉岡が裏の畑に水をやりに行き、店に1人残される河野。そこにミチルの友人である祥子が訪れる。客と勘違いした河野は孝明を呼び、ミチルや吉岡も帰ってくる。畑のきゅうりをかじり、すっかりくつろいでいた河野だが、続いてやってきた玉子は河野に一目惚れしぐいぐいアプローチをかける。
プロボウラーを目指しているという玉子に付き合わされてボウリングの約束していたミチルと祥子。
そこに成り行きで吉岡と河野も加わり、夜まで遊んだ。
結局疲れて吉岡の家に泊めてもらうことになった河野。ビール片手に祥子とミチルに河野との思い出を語る。
小学生時代勉強も運動も出来、人気者だったという河野。運動会実行委員となった河野は運動が苦手だった同級生を運動会のアンカーに指名し、一緒に特訓したが彼は喘息持ちで、発作を起こしてしまった。幸い大事には至らなかったが、翌日からクラスでハブられてしまった河野に唯一変わらず接したのが吉岡だったという。
そこに風呂上がりの吉岡が帰って来、交代で河野に風呂を促し、また帰る祥子に意味ありげに「ありがとう」と伝える。
1人で幸の手紙を読む吉岡の元に孝明が生活費を渡しにやって来る。「すみません」と受け取る吉岡と謝るのは辞めてくれという孝明。机の上の幸からの手紙に目をやり、複雑な表情を見せる。
吉岡の「この商品達が全部売れたら…」「甘えてる」という発言に甘えれる内は甘えてもいいと言い残し去る孝明。
翌日、店先を掃除しながら1年に1度訪れるというサーファーのケンの話を聞く河野。
吉岡も交えて話し、去年吉岡が入院していたことを知る河野。
さらに祥子や玉子も来てにぎやかに。ケンは祥子にぐいぐいアプローチをかける。
その時孝明が腰を痛めて倒れたとミチルが言いに来て、河野吉岡ケンが運ぶために出ていく。すると玉子が昨夜河野について調べたことをミチルと祥子に明かす。河野は昔デザイン賞を取り家具デザイナーとしてデビューしたが、ある時にデザインが元同級生のラフを盗作したという盗作疑惑をかけられ、その後徐々に仕事を失い会社を辞めていた。
本人には聞けないと言いつつ20年振りに戻ってきた河野の気持ちを推し量る玉子。
その後戻ってきた河野にいつ帰るのか聞くと、夜までには帰るらしい。そこで、今夜行われる祭りに誘い、さらに晩御飯を振る舞うと言い玉子はキッチンへ行く。
そして祥子は近々仕事の都合で名古屋に引っ越すのだと言う。最後に店にあるじょうろを買って行く。
玉子に言われて一緒に畑へじゃがいもを採りに行く河野。
幸との手紙を見ながら孝明に引き取られた時の幸のことを懐かしむ孝明と話を聞く吉岡。
小学生時代の先生の思い出話に花を咲かせる吉岡と河野。話題になった先生が亡くなったと聞き少し落ち込む河野に地元の同級生が半分くらい葬儀に集まり、同窓会みたいだったと話す吉岡。その時河野がその話は元同級生の川島から聞いていたと零す。そこで激しく動揺する吉岡。
実は最初から河野が家具デザイナーであり、盗作疑惑をかけられたことを知っていた吉岡。それもその川島が面白おかしく広めていたらしい。
最初から知ってたなら言ってくれればいいのにと言いつつ、当時のことを語る河野。
自身に身に覚えがなく多少の批判は何も思わなかったが、ある時夜遅くまで会社に残っていた同じチームの同僚に差し入れをしに戻ると、河野の過去のデザインも盗作なのではという悪口で盛り上がっている所に遭遇してしまう。
仲間だと思っていた人達の裏切りが小学生時代の苦い思い出と重なり、自分自身が偽物だから周りにも偽物しか寄ってこないのではないか、本当は無意識に盗作してたのではないかと訴える。
すると吉岡は急に幸の手紙を河野に見せる。
2年前に日本を発った幸だったが、実はその3ヶ月後に山で遭難し行方不明となっていた。
居てもたっても居られなかった吉岡は幸の登山部の後輩だった祥子達の協力を得て消息を絶った山へ探しに行くも、元々身体の弱かった吉岡はダウン。肺水腫になり生死を彷徨う状態になる。
その時、ミチルが幸から届いたと言って手紙を持ってくる。幸が生きているという希望を胸に回復する吉岡。それから毎月来る手紙では海外を飛び回る様子が書かれており、直近の手紙では日本の観光客に旅先で遭い、プロポーズされたと綴られていた。
それを読み河野は気づく。これらの手紙は幸が吉岡に出会うまでに祥子や孝明に宛てて送られていた手紙だった。そして吉岡はそれを知りながらも、ずっと受け取っていた。
そして古道具屋の商品が全て売れたら踏み出そうと思いつつ、ずっと売れずにいて欲しいと思っていた。
「パチモン(偽物)に縋って生きてる人間もおるんやから本物とか偽物とかどうでもいいやん」
吉岡は河野にそう伝える。
全てを聞いた河野は古道具屋の商品を全て買うことを決断する。